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山崎 陽子オンライン家庭教師のブログ

記憶のやり方/定着率の高い学習方法に関する私見

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2019/12/26

これはあくまでも私の場合は、ということですので、みなさんが真似をしてできるような方法ではないかもしれません。

ただ、NoSchoolにあげられた質問をみて、考えたことをダラダラと書いていきます。

もしかしたら参考になることも書いてあるかもしれませんので、駄文ですがぜひお付き合いいただければと思います。



元の質問はこちら

私は現代社会の点数が面白いほどとれる本を購入して赤シートで隠... | 社会に関する質問

私は現代社会の点数が面白いほどとれる本を購入して赤シートで隠して本を一通り読むといった勉強方法で学習しようとしています。 一般的もしくは回答者様各々の思う効率的もしくは定着率の高い勉強方法をお聞きしたいです。(重要単語を書き出す、単語を書き出して意味を説明etc…) 質問する場も間違えていそうではありますが宜しければどなたか助けてください。



まず、ごく個人的な意見ですが「効率の良い覚え方」にしろ「効率の良い勉強方法」にしろ、全員に共通して使えるような「魔法」なんてものは存在しないと私自身は思っています。当然、短時間で楽して覚えられるような魔法も存在しません。そんなものがあるならば、みなさん楽して東大に進学できるわけです。

でも実際はそうじゃない。一部の「びっくりするくらい賢い人」を除けば、みなさん血反吐を吐くような努力をして、一つ一つ身につけていきます。ただその「血反吐を吐くような努力」が自分にとってはアタリマエのことだと考えている人や、その努力を他人にはけっして見せない人もいます。そういう人はわりとひょうひょうとしているので「なにか楽して覚えられるスゴイ魔法が存在するに違いない」と勘違いしてしまうわけです。


安心してください。そんなモノはありません。


私の場合、200ページ程度の参考書であれば、長くても2ヶ月ほどあればほぼ完璧に記憶することができます。記憶するときは、上記リンクでも回答したとおり、参考書を読み、それを映像化・画像化して記憶していく、という手段を取ります。映像化・画像化することの最大のメリットは、関連した知識をまるごとごっそり記憶の淵から引っ張り出せることです。芋掘りで芋を引っ張ったら他の芋もごっそり見つかる、みたいな感じで、互いに連結させた、関連させた知識をまるっと根こそぎ引っ張り出すことができます。

ただこの「映像化/画像化して覚える」という方法は、どうも誰にでもできることではないようです。私の教え子たちの中で、これができた生徒はいまだにひとりもいません。たいていは、書いて覚えたり、音読して覚えたり、体を動かしながら覚えたり(これ意外と有効だそうです)、そんなことをして覚えていきます。でも、覚える手段は何だっていいんです。自分がやりやすい方法を模索していただければ。


ちなみに私が参考書を読むときは、デッサンを描くときのように読み進めていきます。どういうことかというと、最初にだいたいの形(この科目ではどのようなことを学ぶのか)を掴み、だんだんと細かいところを読み進めていきます。私が参考書1冊を覚えるときは、だいたい参考書は15~20周ほど、あるいはそれ以上読んで本をボロボロにします。最初の1周目ではデッサンでアタリを取るようにざっくり形を考え、2周目、3周目と読み進めていきながらだんだんと細かいところに着目していきます。1周目から細かいところに着目しすぎると、全体像が掴めないのでサイズ感のおかしなデッサンになってしまいます。だから最初はカタチを掴む、カタチがとれたら次は少しずつ細かいところに着目していく、という流れで学習を進めていきます。

最初にカタチを掴むことで、どのくらいの時間配分とペースでこれから先の学習を進めていけばいいかの検討をつけることもできます。



しかし、大事なことは、「覚える作業」にあるのではなく、「記憶を定着させる作業」にあります。覚えることは誰だってできるんですよ。みなさんがひらがな、かたかな、漢字、それからアルファベットを覚えているのと同じです。これは、例えば学習障害などがある場合を除けば、だれでもできることです。

「記憶を定着させる作業」。これをきちんとやっているかどうかで、定着率が大きく変わってきます。


例えば私の場合、参考書を読むときには頭の中に「先生」が登場します。参考書を読み進める際は、その「先生」が出てきて、参考書の内容にそって講義をしてくれます。まるで学校で授業を受けているのと同じように。

一通り読んだら、一旦参考書を閉じて、今度は頭の中で自分自身が「先生」になって、同じところの講義をします。このとき、自分が教える生徒は小学校高学年を想定します。つまり、参考書の中にたくさん出てきた難しい言葉は使えないわけです。参考書で得た知識を、噛み砕いて、小学生が理解できるように言い換えたり、具体例をたくさん出したりしながら頭の中で説明をしていきます。

ここで、難しい用語を使わなければ説明ができないところや、あるいは「これなんだっけ…?」と言葉に詰まってしまったところは、定着が甘いところであると判断します。逆に、易しい言葉できちんと説明ができるところは、きちんと理解ができた部分である、と判断します。

こうして、参考書を読む→脳内で先生ごっこをやる→理解の確認をする→読む…というのを何度も何度も繰り返すうちに、映像化ができるようになります。また、理解できているところとできていないところをきちんと区別できるようになるので、そこから先は「理解できていないところ」を重点的に学習していけばいい、と判断することもできます。


脳内先生ごっこがある程度できるようになったら、最終確認として問題集を解く過程に入ります。ここでも「参考書を読む→先生ごっこ」は並行して行いますが、それに加えて、問題集もすすめていきます。問題集を進めていくと、また記憶の定着が甘いところが見つかりますので、解答解説を読んで、同じように「脳内先生ごっこ」を繰り返していきます。

あとは、試験のときに、その映像化した記憶を引っ張り出すだけです。


脳内先生ごっこなんてアホらしい、そう思う方も多いと思います。ところが、実際に「人に教える」というのは、学習したことを定着させる上で非常に意味のあることなんです。最近うるさく言われているアクティブ・ラーニング。その説明で使われるのがこの図です。



この図そのものが根拠のない眉唾ものだ、という意見もあるようですが、ごく個人的には、この図の言わんとしているところは大筋では間違っていないと考えます。学習の定着率は、講義だけの場合はたったの5%です。読書による定着率は10%。読書による学習というのは、いわゆる「参考書を読んだだけ」の状態でしょう。ところが、「他の人に教える」という段になると、定着率は90%になります。どういうことかというと、授業を受けただけ、参考書を読んだだけではほとんど身につかないけれども、人に教えるという体験を通せば、学んだことは自分の血となり肉となる、ということです。

脳内先生ごっこという響きは実にばかばかしいものかもしれません。しかし、頭の中で「他の人に教える」という経験を疑似体験することによって、記憶の定着率はぐんと良くなります。なぜなら、人に教えるためには、自分自身がきちんと内容を理解し、咀嚼し、消化し、他人が理解できるように説明できなければならないからです。

もちろん、「リアル先生ごっこ」でも効果はあります。むしろそのほうが、教える側から意見や質問が飛んでくるので、いわゆる「アクティブ・ラーニング」とやらが成立するでしょう。でも現実問題、生徒役をやってくれる人がどれだけいるか、それも毎日毎日先生と生徒ごっこをやらされても平気な人がどれだけいるのか。そう考えると、脳内先生ごっこであれば自分ひとりで解決できますし、変なことを教えて相手が変な知識を身につけるという心配もありません。どれだけ教え方が下手くそでも、恥ずかしい思いをすることはないわけです。



ということで、最後に、このブログを読んでいただいた方へのアドバイスをまとめます。


1.参考書を読むときは、カタチを掴む→細かいところに着目、の順で行う

2.記憶のやり方は人それぞれ。自分にあったやり方を模索すること

3.映像化/画像化できると記憶を引っ張り出しやすいのでおすすめ

4.脳内先生ごっこを通して、定着率を高める


以上おわり。勉強頑張ってね。