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よっしーオンライン家庭教師のブログ

家に着いたら電話して。〜日本語と英語の時制を比べる〜

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2019/11/20

まず最初に言い訳がましいかもしれないが、これらはあくまで私の「メモ」に過ぎないことはご留意願いたい。


突然ではあるが、


(1)私は家に着いた。


を英語で言うとどうなるであろうか?

ひとつの言い方としては


(1-1)I got home.


と言える。


では、


(2)家に着いたら電話して。


を英語で言うとどうなるであろうか?

これも一つの言い方としては


(2-1)Call me when you get home.


と言える。


さて、(1)と(2)で「家に着いた」と、日本語では同じ形になっているにも関わらず、(1-1)はgotで(2-1)はgetと動詞の時制が変わっているのに気が付いただろうか。


もう一つ例を挙げてみる。


(3)私は夕食を食べる。


は英語で


(3-1)I have dinner.


と言える。


では


(4)夕食を食べる前にお風呂に入った。


を英語で言うとどうなるであろうか?


ひとつの言い方としては


(4-1)I took a bath before I had dinner.


と言える。


(3)と(4)はどちらも「夕食を食べる」だが、(3-1)はhave、(4)はhadとなる。

こちらも日本語の表現は同じにも関わらず英語の動詞の時制が変わることに気が付く。


ここに日本語と英語の時制の考え方の違いがある。


まず時制(テンス)というのは時間軸上の「位置」のことを表す。

基本的に「過去」「現在」「未来」の三つが設定される。

そして時制は述語に現れる。

述語が表す事態がいつ起きたのかを表すのが時制だとも言える。


そしてこの過去、現在、未来というのは「発話時」を基準にして考える。

発話時を現在として考え、それより前のことは過去、それより後のことは未来、と考えるのである。

このように発話時を基準とした時制の決め方を絶対テンスと呼ぶ。


英語の時制の考え方は基本的にこの絶対テンスに準じていると言える。

(1-1)は発話時を基準として過去の話

(2-1)は発話時を基準として未来の話

(3-1)は発話時を基準として現在の話

(4-1)は発話時を基準として過去の話

だと言える。


しかし日本語はどうも様子が違う。

(1)はたしかに発話時を基準として過去の話として考えられるが(2)は上記の英語の考えでも触れたように未来の話をしている。

未来の話にも関わらず「着いた」と表現しているのである。

(3)は現在の話として考えられるが(4)は明らかに過去の話であるにも関わらず「食べた前」ではなく「食べる前」としている。


つまり日本語は絶対テンスでは説明がつかない時制の使い方をしていると言える。

そしてこれはどうやら複文のときに現れるもののようである。


複文は一文の中に主節従属節をもつ文のことである。

(2)は「家に着いたら」が従属節で「電話して」が主節である。

(4)は「夕食を食べる前に」が従属節で「お風呂に入った」が主節である。


日本語は主節は絶対テンスが使われるのに対して、従属節はそうではないテンスが使われている。

実は従属節で使われるのは相対テンスなのだ。


相対テンスとは時制の決め方の基準を「主節が起きている時」に設定するものである。


(2)で言えば「電話して」という主節の部分を基準として、「家に着く」→「電話する」のように「電話する」よりも前であることを示すために「家に着いた」という言い方になる。


(4)で言えば「お風呂に入った」という主節の部分を基準として「お風呂に入った」→「夕飯を食べる」のように「お風呂に入った」時よりも後であることを示すために「夕食を食べる」という言い方になる。


もう一つほど例を挙げてみる。


(5)もし明日雨が降ったら家にいるつもりだ。

「雨が降る」→「家にいる」なので「雨が降った」となる。


(5-1)If it rains tomorrow, I will stay home.

あくまで未来(明日)の話なのでrainsは過去形にはならない。

※仮定法過去の場合は今は考えない。


このように英語と日本語では時制の考え方が違う部分がある。

この違いに少し感覚を研ぎ澄ませてみるのも一興ではないかと思うのである。